2014年5月22日木曜日

エッセンスーⅡ

5・1 インパクトの概念(1)

ゴルフスイングは相(phase)別に{アドレス・テイクバック・トップ・ダウンスイング・インパクト・フォロー・フィニッシュ}に分けることが可能、適正なインパクトは{アドレス・テイクバック・トップ・ダウンスイング・・・}の良否に影響されます。

「省エネスイング」の目標の一つはスイングを「錐体外路運動」として構築、インパクトの近傍動作をスイング全体のリリースキィーに利用してスイング・アルゴリズムを簡潔化する。
具体的には{テイクバック ・トップ切り返し}のリリースキィーを{ダウンスイング・インパクト}に設定し、さらに{テイクバック ・トップ切り返し・ダウンスイング}のリリースキィーとしてインパクトを利用するスイングへの構築・・・インパクトを単独に考察するよりは{ダウンスイング・インパクト}をグループ化してのスイング構築が楽なので

{ダウンスイング・インパクト}を適正に構築するには{~テイクバック ・トップ切り返し}作業が適切に積み上げられることが前提条件になる。
・・・・だから・・・
テイクバック の「片側股関節位置固定型・骨盤回転」や「トップの切り返し作業」に欠陥を組み込んだ状態では(本稿は)役に立たないので注意!
・・・・・・・



<図説:インパクト構築の基礎事項>
左上:重心領域:シャフトのシナリ動態に伴って変化するクラブ重心の分布可能領域。
振動節;シャフトシナリ動態の支点。シャフトシナリのコントロール指標・・・釣竿のシナリを制御する竿節と同類。

左下:シャフトプレーン上のシナリ動態のシェーマ・・・右凸⇒左凸⇒右凸に形態変化する。
F・・・フルスイング・インパクトにおけるクラブ重心領域。
C・・・コントロールスイング・インパクトにおけるクラブ重心領域。
F領域とC領域をシナリ動態との関連から明確に区別する必要がある

右上:コントロールスイング・インパクトにおける{ボール、ヒール、重心領域}
※ヒール・・・クラブフェース姿勢を投射、ヘッド姿勢制御の指標

右下;フルスイング・インパクトにおける{ボール、ヒール、振動節、重心領域}




5・2 インパクトの概念(2)

{ダウンスイング・インパクト}はグループ化して考察すると便利です。
インパクト(impact)の相(phase)を(I)で表示することとし、ダウンスイングを前インパクトと捉え・そのphase を(I-1 )と表現すると

・・・・{ダウンスイング・インパクト}の相表示は{p(I-1 ) p(I) }となります。

{ダウンスイング・インパクト}を相互に関連付けながら作業行程を整備し、画像情報に変換することがこの項の目的ですが・・・
画像(figure)をFで表せば{ダウンスイング・インパクト}の画像情報は{F(ダウンスイング)・F(インパクト)}となるので、

・・・・・相表示{p(I-1 ) p(I) }を代入すれば・・・・・{Fp(I-1 ) Fp(I) }と表示されます。



【ダウンスイングの作業&画像設定】


・・・・・・
<Fp(I-1 )=F0>
ダウンスイング(前インパクト;p(I-1 ))作業はインパクトの準備として脊柱状態を安定させる作業に対応しています。具体的には脊柱の姿勢制御を{腰椎群・8~12胸椎}&{頚椎群・1~7胸椎}の2グループで制御。
図の①、②、③の作業ですが、②&③は急速に安定し無意識な錐体外路運動へ移行します。

Fp(I-1 )の対応画像・・・・・・
{脊柱要素}は{第1腰椎右端・第2頚椎右関節隆起・右内肘左端}となりますが、急速に{錐体外路集合}に移行します。
{四肢要素・クラブ要素}を含めて次項で解説します。



【インパクトの作業&画像設定】



・・・・・・
<作業の基本構成>
スイング構築に{ペースメーカー・四肢要素・クラブ要素}の3種類の要素で構成した部分集合を対応させます。
ペースメーカーは{環椎・後頭関節;左右後頭顆、左右軸椎関節隆起、軸突起)。四肢要素は左内肘・右手3指。クラブ要素はシャフトプレーン上;シナリ動態の範囲でクラブ重心運動を把握(①~④・⑤)。インパクト近傍のクラブ要素としてはヒールライン、振動節、ボール右端。

<F1>;{(右後頭顆→右軸椎関節隆起)・クラブ重心(①→②)・クラブヒール位置予想(①)・振動節位置予想(②)・左内肘}で構成
<F2>;軸椎突起(上下端)・左後頭顆上端(④)・クラブ重心(③→④)・右手3指(③→④)
<F3>;左軸椎関節隆起(⑤→⑥)・クラブ重心(⑤→⑥)・左内肘(⑤対応位置→⑥対応位置)
<F4>;左後頭顆上端(⑥→⑦)・左軸椎関節隆起(⑥→⑦)・クラブ重心(⑥→⑦)
・・・・・・・・・・・・四肢要素のクラブ重心支持作業が終了し、クラブ重心&ヘッドが走る!


5・3 ゴルフスイングの方程式

スイング構築を問題として捉えて、その解答を(一種の)数式として表現する方法論です。

【集合論を利用したスイング構築】
構築作業で利用する3集合を定義します。
集合S{標本空間│Ω};スイング作業を構成するクラブ、シャフト、ヘッド、重心領域、振動節、下半身、上半身、肘、手首・・・・その他、諸々を全て集めた集合
集合A{錐体路│a1,a2,a3・・・・・};錐体路運動で要素を処理する集合
集合B{錐体外路│b1,b2,b3・・・};錐体外路運動で要素を処理する集合


あるスイングフェーズ(;p )の構築作業は
 S{Ω}から必要な要素を選択し・・・・・・・部分集合Ap{a1,a2,a3・・am・・・an}を創り
錐体路運動によるドリルを重ねて・・・・・・Ap{・・・am ・・an}をBp{・・・bm・・bn}に移行し
集合Ap{a1・・・an}を・・・・・・・・・・・・・・・・Ap’{a1,a2,a3}とBp{b4・・・・・bn}に分離

ここでの 条件は
①Ap’{a1,a2,a3}の要素数(部分集合でも可)は最大3個程度・・・・1スイングに乗せられる認識可能な画像情報は3個程度であり、各要素と画像情報を1:1で対応できる限度。
②集合Bp{b4・・・・・bn}の要素(ないし部分集合)のリリースキィーとしてAp’{a1,a2,a3}の要素のいずれかを対応。

条件②は錐体外路運動を錐体路運動にリンクする事と(ほぼ)同値なので・・・
Bp{b4・・・・・bn}のリリースキィーとしてa3をリンク(⇔:リンク記号)すれば、
Ap{a1,a2,a3・・am・・・an} ⇒ Ap’{a1,a2,a3(⇔Bp{b4・・・・・bn})}と表現される
ここで
Bp{b4・・・・・bn}は無意識の錐体外路運動だから、A{錐体路│a1,a2,a3・・・・・}の要素としてはΦ(空)として考えると
・・ ・・・・・・・・・Ap’{a1,a2,a3}に単純化される


スイングフェーズが(;p )から(;q)に進んだ段階では
 S{Ω}から必要な要素を選択し、Ap’{a1,a2,a3}の3要素を合わせて・・・新しい部分集合Aq{aq1,aq2,aq3,aq4・・・aqn,a1,a2,a3}を創る

前フェーズ(;p )と同様手順で
Aq{aq1,aq2,aq3,aq4・・・aqn,a1,a2,a3}を・・・・・Aq’{aq1,aq2,aq3}とBq{aq4・・・aqn,a1,a2,a3}に分離。
Bq{aq4・・・aqn,a1,a2,a3}のリリースキィーとしてq3をリンクすれば

Aq{aq1,aq2,aq3,aq4・・・aqn,a1,a2,a3}はAq’{aq1,aq2,aq3(⇔Bq{aq4・・・a3(⇔Bp{b4・・・bn})})}と表現される。
 (⇔Bq{aq4・・・a3(⇔Bp{b4・・・bn})})はAq’からみてΦ(空)なので
 ・・・・・・・・Aq’{aq1,aq2,aq3}に単純化される

 
 インパクトフェーズ(;I)の構築作業も同様の手順で
・・・・・・・・・AI’{ai1,ai2,ai3}に単純化し画像イメージ{F1,F2,F3}を対応させれば
・・・・・・・・・AI’{F1,F2,F3}で表現される・・・・・・・・スイング作業が連続画像3枚に集約される。


【インパクト作業の画像表示】
 ここで前節(5・2)で求めたダウンスイング(前インパクト)の画像情報(Fp(I-1))をF0と書き換え、インパクト作業の画像情報F1~F4と合わせて錐体路集合を創ると
・・・・・・・・・A{F1、F2、F3、F4、F0}

ここで F1~F3はドリルを繰り返し・作業過程が洗練されるとF4に織り込まれる要素だから、F4に(F1~F3)をリンクすれば
 ・・・・・・・・・A{F4、(⇔F1~F3)、F0}・・・・・・を経由して
・・・・・・・・・A{F4、F0}・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・と表示される

またF0はインパクト前作業の錐体外路集合{B・p(I-1)}から引き戻した要素であるから、{B・p(I-1)}に再移行すれば

・・・・・・・・・・A{F4}・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!!!

 一枚の画像でスイング作業が表現される。超上級者の表現「スイングはインパクトだけである」の構造が垣間・見えたかもしれません。


われわれ、並アマが利用するとすれば
・・・・・・・・・A{F1、F2、F3、F4、F0}・・・・・・・・・・・または
・・・・・・・・・A{F4、F0}・・・・・・・・・・・・・・・・・・のフォームが実際的。

 このフォームの連続画像は僅か2~4枚、このスイング解釈系に基づいてスイングプログラムがスムースに連動すれば・・・大成功 (^-^*)

ここでの必要条件は
○首根っこ(環椎・後頭関節、軸椎)の細部を意識できるレベルの深部感覚
○{アドレス~トップ~ダウンスイング}が適正に積み上がっていること
 錐体外路集合部分(⇔Bq{aq4・・・a3(⇔Bp{b4・・・bn})})に大きな欠陥をかかえて、意識的な補正作業が必要であればプログラム全体が破綻する・・・例;トップで右股関節がフラつくとか・・・・オーバースイングとか・・・・


【ゴルフスイングの方程式】

ゴルフスイング相(phase)を時系列で表示すれば
{ アドレス(ad,0)~トップ(tp)~インパクト(I)~フィニッシュ(f)} となるのでスイング相(p)の範囲は (ad,0 < p ≦ f )


インパクト(I)のスイング作業はAI{F1、F2、F3、F4、F0}または、展開フォーム AI{F4、F0}で表示されたが、

AI{F0}はインパクト直前のphase(I-1)の集合要素A・I-1{F(i-1)4}とみなせから

・・・・・・・・・・・・・・・・A{F(i)4、F(i-1)4}と変換できる


A{F(i)4、F(i-1)4}の4→αに置き換え、スイングphaseの範囲{アドレス(ad,0)・・・・トップ(tp)・・・・インパクト(I)}を踏まえて解を求めて整理するとゴルフスイングの解答式が得られる

・・・・・・・・・・・・・・・Ap{Fpα、F(p-1)α}    (ad,0 <p ≦ I )


<解説>
スイング解釈系;省エネスイングを利用すれば{アドレス~インパクト}間の全てのphaseで適当な画像情報2枚でスイング作業を表現できます。
アドレスを演算に乗せるには(ワッグルとか)アドレス前姿勢(F(ad-1))を工夫する必要がある・・・スタートポイントであるアドレス姿勢の良否はスイング全体に重要な意味を持ちます。
 インパクト以降、フォロー・フィニッシュの演算利用については未検証。


<参考文献>
「数学入門(第6章 集合)」 小島寛之 ちくま新書

2014年5月21日水曜日

エッセンスーⅠ

4・1 ゴルフスイングの相分類

ゴルフスイングは{ホーム(≒アドレス)~テイクバック~トップ~ダウンスイング~インパクト~フォロー~フィニッシュ}の7ブロックに分割できます。{ホーム、トップ、インパクト、フィニッシュ}は静止(~準静止)状態の表現ですが、{テイクバック、ダウンスイング、フォロー}は運動状態を表しています。
 静止状態と運動状態が交互に並んでいて{静止~運動~静止}という群でスイングの相を考えると
{ホーム~テイクバック~トップ}
{トップ~ダウンスイング~インパクト}
{インパクト~フォロー~フィニッシュ}
の3相に分類できます。
 スイングを{3相7ブロック}で構築します。


4・2 ホーム~テイクバック~トップ



個別座標系の基準ベクトルを目標打球線に合わせ、リラックスした姿勢で立ちます。
左5指*&小指丘が協調してグリップエンドを支持しクラブの運動支点を設定します。グリップはオーバーラッピングで左4指*拇指球と右4指*拇指球でクラブを把持します。クラブの全体重心がシャフトを含む垂直面上に位置することが条件です。
このクラブ把持様式を「クラブ平衡姿勢」と呼びます。
ボール位置、スタンス幅、体幹・下肢の姿勢に条件や制限はありませんが、ステップ進行に伴い帰納的に補正がかかります。
(参照)クラブ平衡姿勢**;2・5クラブ支持様式


―テイクバック~トップー


a)肩甲骨作業(再掲)
テイクバック~トップで利用する右肩甲骨に付着する重要筋(群)は次の3群です。
ⅰ群;第6・7頸椎と第1~4胸椎から起こり肩甲骨内側縁に付着する菱形筋。
ⅱ群;第1~4頸椎と肩甲骨上角中心に分布する肩甲挙筋。
ⅲ群;肩甲棘の上下窩と上腕骨に分布する筋群(棘上筋、棘下筋)。




右肩甲棘三角の空間位置を固定し、付着筋群を順次収縮させる3ステップの作業です。
【SC*-1】:ⅰ群筋の本来の機能は肩甲骨を内側に引くことですが、肩甲棘三角を位置固定すると第6・7頸椎と第1~4胸椎の右側線がきまります。上部胸椎が肩甲骨内側縁に寄り添う感じです。
【SC* -2】:ⅱ群筋の本来の機能は肩甲骨を上内方に引くことですが、肩甲棘三角を位置固定すると第1~4頸椎の右側線がきまります。下部頚椎が肩甲骨上角に寄り添う感じです。
【SC*-3】:肩甲棘三角を位置固定しⅲ群筋を収縮させると右上肢が挙上します。
(注1)SC*;scapula(肩甲骨)



b)補助軸(再掲)
左右の足首関節の内踝・外踝を起点とする4本の補助軸を想定します。内踝起点の軸をMP(メジャー軸)、外踝起点の軸をSP(スモール軸)と呼び、右(左)内踝起点の軸をMPR(MPL)*、右(左)外踝起点の軸をSPR(SPL)*と表記します。
軸の起点構造は球関節タイプ、直径はMPでシャフトよりやや太め、SPでシャフトと同じくらい。クラブシャフト程度の軸が足首の内踝・外踝を起点にして自由に回転できるイメージです。
脊椎骨群下端の仙骨は骨盤を形成する腸骨と仙腸関節を形成、下肢骨格上端の大腿骨は骨盤と股関節を形成しています。
腰椎、仙骨、骨盤、左右股関節、左右下肢のスイング作業に関連して左右外側仙骨稜が重要な役割をもちます。左右外側仙骨稜起点の補助軸を想定し左右フレーム軸;FPL(FPR)*とよびます。
(注1)MPR(L)*;major-pole-right(left)、 SPR(L)*;small-pole- right(left)
FPL(R)*;frame-pole-left(right)





C)テイクバック行程
【ステップ-1】
【image-FPR∥右外側仙骨稜】
「右股関節位置固定型骨盤右回転」準備姿勢

解説;
テイクバックのスタート姿勢です。
右外側仙骨稜に位識点を集中しFPRをイメージします。
同時に右股関節位置と右下肢姿勢をイメージして、「右股関節位置固定型骨盤右回転」の準備姿勢をとります。
(注)スタート姿勢;連続するテイクバックを意識したポジションです。「4軸構造」では完全静止状態の「ホームポジション」とテイクバックのスタート姿勢を区別します。


【ステップ-2】


作業圏 ;{FPR∥L5、右内肘}
初期作業;
【image-MPR∥<(㊨-右内肘)*(㊧-MPR)>=0】
作業行程①;
≪㊨-L5≫
【MPR∥静止、<MPR*(右内肘)>=φ→0】

解説:
ステップの作業場としての圏は{FPR∥L5、右内肘}です。
初期作業でスタート姿勢の右内肘右端に接してMPRを想定します。
作業行程①の位識点は(㊨-L5)に集中します。
同期して静止するMPR軸上に右内肘を移動します。




【ステップ-3】
 基本上半身動作;【SC-1】
作業圏 ;{FPR∥L5}&{MPR∥右内肘}
作業行程①;
【(㊨-L5)∥右方移動、<(㊧-FPR)*(㊨-L5)>=φ→0】
【MPR∥右回転、∋右内肘】
終了作業②;
【image-SPR∥<◎*(㊧-SPR)>=0】

解説:
基本上半身動作は【SC-1】です。
作業圏は{FPR∥L5}&{MPR∥右内肘}です。
作業行程①で(㊨-L5)をFPRにひきつける作業に同期して右内肘を軸上に乗せたMPRを右回転します。
ステップ終点でクラブ重心(◎)右端に接してSPRを想定します。
クラブ支持形式、右前腕姿勢に変化はありません。



【ステップ-4】
 基本上半身動作;【SC-2】
作業圏 ;{FPR∥L1~L5}&{MPR∥右内肘}&{SPR∥◎}
作業行程①;
≪(㊨-L5)→(㊨-L1)≫
【MPR∥右回転、∋右内肘】
【SPR∥右回転、∋◎ 】
【G/E∥RF4-ab、LF1-c、(㊨-右内肘)】&【右前腕∥(f1-P)→(f2-P)】

解説:
基本上半身動作は【SC-2】です。
作業圏は{FPR∥L1~L5}&{SPR∥◎}&{MPR∥右内肘}の3圏です。
作業行程①で位識点を≪(㊨-L5)→(㊨-L1)≫へシフトします。
同期して右内肘を軸上にのせたMPRが右回転します。
同期して(◎)を軸上にのせたSPRが右回転します。
クラブ支持形式は{G/E∥RF4-ab、LF1-c、(㊨-右内肘)}に、前腕姿勢は右手首関節が屈曲する(f2-P)にシフトします。




【ステップ-5】
 基本上半身動作;【SC-3】
初期作業 ;【image-FPL∥】

作業行程①;
≪(㊨-L1)→(㊧-L5)≫
【MPR∥左方移動、<(㊨-MPR)*(㊧-右内肘)>=→0】
【SPR∥静止、∋◎】

解説:
基本上半身動作は【SC-3】です。
初期作業でFPLをイメージします。
作業行程①で位識点を≪(㊨-L1)→(㊧-L5)≫にシフトします。
同期してMPRを(㊧-右内肘)に接する位置まで左方移動し、MPRと右内肘を分離します。
SPRは軸上に(◎)を乗せて静止しています。





作業行程②;
【(㊧-L5)∥左方移動、<(㊨-FPL)*(㊧-L5)>=→0】
【MPR∥左方移動、<(㊨-MPR)*(㊧-右内肘)>=0】
【SPR∥左回転、∋◎、(◎-up)】

解説
作業行程②で(㊧-L5)を(㊨-FPL)に接する位置まで左方移動します。
MPRは左方へ倒れこみますがMPRと右内肘の位置関係は作業行程①終了時の姿勢を維持します。
基本動作【SC-3】の効果で(◎)が左回転するSPR軸上の高い位置へ移動します。
《重要ポイント》
① 行程①でMPRと(右内肘)を再分離する作業が重要です。
② 行程②の上半身作業とMPRの左方移動を伴う≪(㊨-L1)→(㊧-L5)≫の位識点シフトはベクトルが反対方向であるため、上半身がテイクバックで下半身(腰部)がダウンスイングという感覚乖離が生じます。
テイクバックで下半身(腰部)がダウンスイングという感覚乖離が生じます。




【ステップ-6】
作業圏 ;{FPL∥L1~L5}&{MPR∥右内肘、◆}&{SPR∥◎}
基本上半身動作;[右前腕左回内運動 (右前腕の左ネジリ動作)]
作業行程
≪(㊧-L5)→(㊧-L1)≫
【右内肘∥左方移動、<(㊨-MPR)*(㊨-右内肘)>=→0】
【右前腕∥右前腕左回内運動】
【form (-ω) at (ω-1p*)∥<(◆)*(-ω)>=0】
(注1)(ω-1p)*;シャフトアクション第1ポジション(4・3基礎事項参照)



解説
作業圏は{FPL∥L1~L5}&{MPR∥右内肘、◆}&{SPR∥◎}です。
作業行程の位識点は≪(㊧-L5)→(㊧-L1)≫にシフトします。
同期して右内肘をMPR軸上に移動します。
同期して[右前腕回内運動+右手]でクラブシャフトをネジリ・タワマセ、近位振動節(◆)に(-ω)波を形成します。(◆)位置は(ω-1p)です。
トップ姿勢が確定します。
《重要ポイント》
① 腰椎群の一連の作業が終了しシャフトが立った姿勢[42-12]をトップ姿勢と捉えます。
② ステップ-1~6の作業過程でホームポジションの股関節、膝関節、足関節等の屈曲度・姿勢が帰納的に決まります。スタンス幅、ボール位置は未確定です


4・3 {トップ~ダウンスイング~インパクト}の基礎事項


{トップ~ダウンスイング~インパクト}はシャフトアクションと身体作業が同期・協調するフェーズです。ここで利用する基礎事項を整理します。
― ウェーブ &リフレクションー
a)ウェーブ (再掲)
波としてのシナリの表現法:
(+ω);左に凸の形態のイメージ波
(-ω);右に凸の形態のイメージ波
波の反射型:
波の位相がずれない自由端反射
波の位相が(π)ずれる固定端反射
b)シャフトアクションの6相(再掲)



 【p-ω*】相;シャフトをシナラセル準備段階
【-ω】相;シャフトをしならせて近位振動節(◆)に(-ω)波を形成
【ω-p*】相:(-ω)波がシャフト上をヒールまで伝播
【+ω】相:(-ω)波がヒールで固定端反射し(+ω)波に変化
【ω-b/p*】相:(+ω)波がヒールから(◆)まで逆行伝播
【ω-Act*】相:(◆)に到達した(+ω)波がインパクトアクション
(注1)p-ω*;pre-ω、ω-p*;ω-parade、ω-b/p*;ω-back/parade、ω-Act*;ω-action

c)シャフトアクションの基準点
シャフトアクションの第3ポジション(ω-3p* )
【ω-Act】相でヒールから(◆)に到達した(+ω)波が正確なインパクトアクションをおこす条件は(◆)が適正位置に制御されることです。位置指標にMPLを利用します。
(+ω)波が到達しシャフトキックがおこる (㊧- MPL)上の(◆)位置を第3ポジション(ω-3p*)とよびます。
第2ポジション(ω-2p*);
(㊧- MPL)上の(ω-3p*)は【ω-b/p】相でヒールから逆行伝播した(+ω)波が到達するポジションです。(+ω)波の伝播速度と(+ω)波の伝播がシャフト形態に与える影響は物理的に決まるので、(ω-3p*)が【ω-b/p】相のヒール位置を決定します。このヒール位置をシャフトアクションの第2ポジション(ω-2p*)とよびます。

第1ポジション(ω-1p*);
(ω-2p)は【-ω】相で(◆)に形成した(-ω)波が【ω-p】相で到達するポジションです。
(-ω)波の伝播速度と(-ω)波の伝播がシャフト形態に与える影響も物理的に決まるので【-ω】相の(◆)位置は(ω-2p)から一定距離(d1)の円周上に位置します。
【-ω】相ではシャフトをしならせて (◆)に(-ω)波を形成する作業で右内肘をMPR軸上に移動しますから、(◆)位置はMPR上の右内肘から一定距離(d2)の円周上に位置します。
2つの円周の交点がシャフトアクションの第1ポジション(ω-1p*)です。【-ω】相で(-ω)波を形成する(◆)の適正位置です。
(注)(ω-3p*);wave-3rd-position、(ω-2p*);wave-2nd-position、 (ω-1p*);wave-1st-position


―ペースメーカー―
 スイングのペースメーカーとして{外後頭隆起 & 両側後頭関節}が構成する立体構造上の位識点シフトを利用します。
 ゴルフスイングには一つの正解があるのではなく複数の近似解があります。図は省エネスイングで利用している構成です
<ポイント>
インパクトのシャフトシナリとシャフトトルクを制御する必要があります。
位識点シフトに同期して振動節とヒール(ヘッド)姿勢のコントロールが必要です。

4・4 トップ~ダウンスイング~インパクト

―スイング行程―

 【ステップ-1】

 

作業圏 ;{MPR∥右内肘、(f/b-H*)、◆、◎}
作業行程①;
≪第1腰椎左端→右棘三角≫
【parade (-ω)∥<(f/b-H*)*(-ω)>=→0】
【(f/b-H*)∥左方移動、<(ω-2p**)*(f/b-H*)>=→0】
解説:
作業圏は{MPR∥右内肘、(f/b-H)、◆、◎}です。
作業行程①の位識点は≪第1腰椎左端→右棘三角≫にシフトします。
同期してトップ姿勢で(◆)位置にあった(-ω) 波を右前腕で(f/b-H)に送ります。
同期して (f/b-H)が(ω-2p)まで左方移動します。


作業行程②;

 
 作業圏 ;{MPR∥右内肘、(f/b-H*)、◆、◎}
作業行程①;
≪第1腰椎左端→右棘三角≫
【parade (-ω)∥<(f/b-H*)*(-ω)>=→0】
【(f/b-H*)∥左方移動、<(ω-2p**)*(f/b-H*)>=→0】
解説:
作業圏は{MPR∥右内肘、(f/b-H)、◆、◎}です。
作業行程①の位識点は≪第1腰椎左端→右棘三角≫にシフトします。
同期してトップ姿勢で(◆)位置にあった(-ω) 波を右前腕で(f/b-H)に送ります。
同期して (f/b-H)が(ω-2p)まで左方移動します。




 作業圏 ;{MPR∥右内肘、(f/b-H*)、◆、◎}
作業行程①;
≪第1腰椎左端→右棘三角≫
【parade (-ω)∥<(f/b-H*)*(-ω)>=→0】
【(f/b-H*)∥左方移動、<(ω-2p**)*(f/b-H*)>=→0】
解説:
作業圏は{MPR∥右内肘、(f/b-H)、◆、◎}です。
作業行程①の位識点は≪第1腰椎左端→右棘三角≫にシフトします。
同期してトップ姿勢で(◆)位置にあった(-ω) 波を右前腕で(f/b-H)に送ります。
同期して (f/b-H)が(ω-2p)まで左方移動します。

作業行程②;

 
 ≪右肩甲棘三角≫
【rebound (-ω)∥<(f/b-H*)*(+ω)>=0】
(注1)(f/b-H*);front/back-heel、(ω-2p**);シャフトアクション第2ポジション
解説:
作業行程②の位識点は≪右棘三角≫に対応します。
(f/b-H)に伝播した(-ω) 波が固定端反射で(+ω) 波に変化します。
《ポイント》
① (-ω) 波を送り出す主役は右手第2指(RF2-a)です。
② (f/b-H) での固定端反射による(-ω) 波から(+ω) 波への変化を右手第3指(RF3-c)で支えます
以下はフルスイングの作業行程です。
(注);コントロールスイングは第5章で解説


【ステップ-2】


作業圏 ;{MPL∥左肩甲棘三角、左内肘、◆}
初期作業;
[左股関節位置固定型骨盤左回転]準備姿勢
【image-MPL ∥ー】
≪左後頭関節≫
【(◆)∥左方移動to (ω-3p*)、<(㊧-MPL)*(㊨-◆)>=→0】

解説:
(+ω) 波が(f/b-H)から(◆)に逆行伝播する過程に同期して(◆)を(㊧-MPL)上の適正位置(ω-3p)まで移動しシャフトキックするステップです。
作業圏は{MPL∥左棘三角、左内肘、◆}です。
初期作業で[左股関節位置固定型骨盤左回転]準備姿勢をとります。同時に左足内踝起点のMPLを適正位置にイメージします。
位識点を左後頭関節にシフトし、同期して(◆)を(㊧-MPL)上の適正位置(ω-3p)まで移動します。
連続してフルスイングのペースメーカーに利用する位識点シフト(FS)にスイング作業を対応させます。
FS:ⅰ)左棘三角→ⅱ)外後頭隆起右端→ⅲ)外後頭隆起中心→ⅳ)外後頭隆起右端→ⅴ)右後頭関節

作業行程①;
≪FS:ⅰ)左棘三角→ⅱ)外後頭隆起右端・・・・≫
【MPL∥左回転to (ω-3p*)】
【(+ω)∥back/parade、<(◆)*(+ω)>=→0、{㊧-◆(+ω)}】
【左棘三角∥左方移動、<(㊨-MPL)*(㊧-左棘三角)>=→0】
(注)(ω-3p*);シャフトアクション第3ポジション
解説:
作業行程①の位識点シフトは≪FS:ⅰ)左棘三角→ⅱ)外後頭隆起右端・≫です。
同期して(左棘三角)は(㊧-MPL)と(㊧-左棘三角)が接する位置まで左方移動します。
同期して(+ω)波は(◆)へ到達します。

作業行程②;
≪FS:ⅱ)外後頭隆起右端→ⅲ)外後頭隆起中心・・・・≫
【左内肘∥左方移動、<(㊨-MPL)*(㊧-左内肘)>=→0】
【(+ω)∥back/parade & reflection to (-ω)、<(㊧-End)*(+ω)>=→0】
解説:
位識点シフトは≪FS:ⅱ)外後頭隆起右端→ⅲ)外後頭隆起中心≫です。
同期して左内肘は(㊨-MPL)に(㊧-左内肘)が接する位置まで左方移動します。


 作業行程③;
≪FS:外後頭隆起中心→ⅳ)外後頭隆起右端・・・・≫
【(◆)∥静止at(ω-3p)、(㊨-◆)→(㊧-◆)】
解説:
位識点シフトは≪FS:外後頭隆起中心→ⅳ)外後頭隆起右端・・・・≫です。
同期して(ω-3p) に静止した(◆)を(㊨-◆)→(㊧-◆)の順に直線化し、振動節姿勢を確定します。
(◆)を支点にしたシャフトキックによるボールヒットとシャフトトルク制御に重要な作業です。

作業行程④;
≪FS:ⅳ)外後頭隆起右端→ⅴ)右後頭関節≫
【(◆)∥静止at(ω-3p)】
【(heel)∥(㊧-heel)→(㊨-heel)】
解説:
位識点シフトは≪ⅳ)外後頭隆起右端→ⅴ)右後頭関節≫です。
(◆)は(㊧-MPL)上の(ω-3p)に静止しシャフトキックの支点になります。
クラブヒールを左端→右端に直線化しシャフトヒールの姿勢を確定します。
ヒールラインが飛球線方向と一致するのが条件です。


《重要ポイント》
① ステップ③&④がシャフトトルクを制御したシャフトシナリをボールヒットに適正利用するための核心です。
② 外後頭隆起、右後頭関節を位識できるレベルの深部知覚訓練が必要です。
③ ボール位置、スタンス幅、左足姿勢(先端の開き具合)、下半身姿勢が帰納的に確定します。

《注意》
インパクトには多数の近似解が成立します。
{左内肘、シャフト振動節、クラブヒール}の位置関係が(ある程度)安定すれば、それなりの結果(打球)がでると思います。
「トップの切り返し」と共に、多様なスイングの成立する理由と考えています。

4・5 フォロー~フィニッシュ



インパクト後のクラブ重心がもつ運動エネルギーを処理してフィニッシュの静止安定姿勢へ移行する過程です。
基本的に身体の姿勢調節反射を利用します。