2014年4月7日月曜日

1 座標



                                                     











日常空間で特定点を表現する場合、一般的には3次元座標を利用します。原点からそれぞれ直交する3本の軸 (XYZ)を立て、特定点と各軸までの距離で位置を示します。点Aは(x y z)と表現され、客観的な視点を持った座標系です。
ヒトの身体は左右対称ですから3次元座標内でヒトの正中面をYZ面に一致させた場合、
ヒトは総体的に { F(x y z)+ F(x y z)} で与えられます。





1・2 個別座標(特定個人別座標)
個別座標(特定個人別座標)とよぶ座標系を定義します。ある平面に特定個人が直立した場合、その身長・体格から外後頭隆起*の位置が決まります。外後頭隆起が個別座標系の原点()です。外後頭隆起を含む正中面を頭部垂直面とよびます。個別座標系は原点と(左右の空間をふくむ)頭部垂直面で構成されます。










(注)外後頭隆起*;眼の高さ真後ろ、頭蓋骨のそら豆大の隆起     

           













個別座標内に点Aが与えられた場合、Aから頭部垂直面に垂線を下ろしてAを決め→A間の距離をγ、直線→Aと頭部垂直面上の水平線がつくる角度をθ、A→A間をとすると、Aは(γ、θ、t)で表せます。

                                 
点Aがある平面上で何らかの運動をする場合、Aの運動軌跡をイメージする思考実験をおこないます。Aが運動する平面をホストに正対する垂直面()と隆椎*を含む斜行平面()で、点Aの運動を直線運動と曲線運動に分けて考えます。
隆椎*;首根っこ真後ろ、脊柱の(第7頚椎)隆起部分  

                 

()面上でAが左右方向に平行移動する場合
Aを表すパラメーター(γ、θ、t)γ、θが固定されのみが変動します。  
()面上でBが斜行直進する場合
(γ、θ、t)のパラメーターがすべて変動します。             

()面上でAが斜行直進する場合                      
(γ、θ、t)のパラメーターがすべて変動します。

              













()面上でAが楕円運動する場合                      
(γ、θ、t)のパラメーターがすべて変動しますが、その変化様式は斜行直進に比して複雑です。                                       

この思考実験からA(γ、θ、t)の運動軌跡イメージの難易度は
水平移動の変動パラメーターはのみであり軌跡イメージは最も容易である。
同一平面上で曲線運動と直線運動を比較すると、曲線運動のパラメーターの変化率は直線運動に比して複雑であり軌跡イメージはより困難である。
ことが分かります。


―基準ベクトル・基準垂直面―                       










個別座標内の右から左の水平方向ベクトルを基準ベクトル(⇔と表記)と定めます。基準ベクトルに平行な垂直面を基準垂直面とよびます。
Aを含む基準垂直面をA基準垂直面、点Aを含み基準垂直面に直交する垂直面をA垂直面とします。                                                           
例) 頭部垂直面;原点(外後頭隆起)と個別座標系を構成します。
頭部基準垂直面;外後頭隆起を含み頭部垂直面と直交する垂直面です。
左内踝垂直面;左内踝を面上に含む頭部垂直面と平行な垂直面です。
ボール基準垂直面;ボールを面上に含み頭部垂直面と直交する垂直面です。 


―個別座標系の表示記号―                                            
位置記号  <      > ;位置関係・距離を表示
集合記号 {        } ;圏、群を表示  
運動記号 【       】 ;運動状態を表示 
変化記号         ;状態の変化を表示

位識点記号  ≪     ≫ ;位識点*の表示
ベクトル記号   ⇔    ;基準ベクトルの表示
重心記号     ◎    ;クラブ重心領域の表示
振動節記号    ◆    ;近位振動節**の表示
(注)位識点*;解剖・生理を参照、近位振動節**;クラブ構造を参照




1・3 圏域の設定                            
個別座標内に基準構造(F)と関心点(ABC・・・)が与えられたとき、Fと関心点群を含む領域を設定し、圏Fとよび次式のように表現します。
{ FABC・・・}
標準的な基準構造は特定直線です。直線以外に特定平面(頭部垂直面など)、特定領域(隆椎など)を基準にした圏の設定も可能です。                               
                                                                  

1・4 基準線と定点の位置関係                      














{ FA }が与えられたとき、適当な平面上にFAを投射してFAの水平方向()の位置関係を次のように表現します。
F⇔∥FA>: AFの右にあることを示します。
F⇔∥AF>: AFの左にあることを示します。

FA間の距離を次のように表現します。
F⇔∥FA>=αFA間の距離がαであることを示します。
F⇔∥FA>=0:AFに重なる場合です。     
F⇔∥FA>=φ:AFの左側にある場合です。
この場合のA Fの距離は<F⇔∥A F>(≠φ)で示します。                    




―2点間の位置関係―                           











{ FAB}が与えられたとき、適当な平面上にFAB を投射して水平方向()の位置関係を次のように表現します。
FABFを基準線として ABの左にあることを示します。

AB間の距離を次のように表現します。
F⇔∥AB>=αAB間の水平距離がαであることを示します。
F⇔∥AB>=0:ABが同一点に重なる場合です。     
F⇔∥AB>=φ:ABの右側にある場合です。
この場合、2点の距離はBA間になり<F⇔∥BA(≠φ)で示します           

《応用》
基準として太さのある軸(G)が与えられた場合、Gの左縁か右縁を基準線に選びます
修飾辞をつけて選択した縁を示します。
(-G):軸Gの左縁を基準線に選択したことを示します。
(-G):軸Gの右縁を基準線に選択したことを示します。
与えられた点(A)が容積をもつ場合、関心域点を修飾辞で示します。
(-A):関心域点は点Aの左端であることを示します。
(-A):関心域点は点Aの上端であることを示します。
(-G)⇔∥(-A)(-B)>=0:軸Gの右縁でAの右端とBの左端が接していることを示します。

《略記法》
{ FAB}が与えられ、位置関係の指標である基準線F と基準ベクトル()が自明であるとき(F)()は省略します。
FAB>=α → <AB>=α
F⇔∥FA>=α → <FA>=α












―定点の運動、特異点、ベクトル反転―
{ FA }が与えられ、Aがある運動状態の場合
【<FA>=α→0φ】 はAが右方からFに近づき左方へ通過することを意味します
FA>=0 が特異点でAFに対する運動ベクトルが反転します。       

{ FAB }が与えられ、ABがある運動状態の場合
【<FAB>=α→0→φ】 はBが右からAに近づき左へ通過することを意味します。
FAB>=0 が特異点でBAに対する運動ベクトルが反転します。    













3次元座標での2点間の距離・位置関係の表示は客観的な指標ですが、個別座標内では圏設定や定点の投射・写像も含めて感覚的な表現です。




1・5 補助軸の設定


個別座標に4本の補助軸を想定します。軸起点は左右足首関節の内踝、外踝位置、起点構造は球関節タイプで自由に回転可能な軸をイメージします。内踝を起点とする軸をMP(メジャー軸)、外踝を起点する軸をSP(スモール軸)と呼びます。                  


接尾辞をつけて左右を区別します。
左内踝軸MPL(major-pole-left)         右内踝軸MPR(major-pole-right)    
左外踝軸:SPL(small-pole-left)          右外踝軸:SPR(small-pole-right)     





―軸状態の表現法―

4本の軸はスイング過程で関心領域()と関連して回転状態と静止状態を推移します。
{ PA }での補助軸Pと関心領域Aの動態の表現法です。

P∥左回転、∋A】 P軸がAを軸上に乗せて左回転することを意味します。
P∥静止、∋A】 P軸がAを軸上に乗せて静止しています。
P∥静止、∋Φ】 P軸は関心領域()を軸上に含まず静止しています。      

軸設定はクラブ重心やゴルファー身体の関心領域を補助軸上へ投射することでスイング行程を感覚的な直線運動に還元することを目的としています。










2014年3月17日月曜日

Ⅰ 総論

【スイングタイプ】

スイングタイプは一般的に「コンベンショナル・スイング」、「ハードヒット系スイング」に大別されます。
「4軸構造」は「コンベンショナル・スイング」に焦点を絞りました。

特別なゴルフの才能はなく運動神経も体力も普通の大人が目標にできる「ヒトの解剖・生理に適合した概念上のスイング」を「イデアル(省エネスイング)」と呼んでいます。
本稿は「省エネスイング」のスイング構造を確定することを目的にしています。


-スイング構造

【スイングフェーズ】
スイングは{アドレス・テイクバック・トップ・ダウンスイング・インパクト・フォロー・フィニッシュ}と表現されます。
{静止姿勢→身体動作→静止姿勢}が3相に重なった重層構造です。
・・・
ヒトの身体動作は動作終了時の静止安定姿勢へ移行する過程であり、動作終了時の静止安定姿勢は連続する身体動作の準備姿勢と見做せます。
ある動作の準備姿勢と目的姿勢は静止安定姿勢ですから、アドレス、トップ、インパクト、フィニッシュ姿勢は本来、静止安定姿勢です。


【スイング行程の関門】
第1関門(トップ):

テイクバックの目的姿勢であるトップ姿勢(仮トップ)とダウンスイングの準備姿勢であるトップ姿勢(本トップ)がスイング構造上、同一姿勢でないため、(仮トップ)から(本トップ)に移行する作業が必要です。
この作業が「トップの切り返し」であり、一過性に「見た目トップ姿勢」が出現します。


第2関門(インパクト):

ダウンスイングでシャフトにシナリを作り、インパクトでボールヒットに利用します。
シャフトの「シナリ動態」を理解した上で、「シャフトの振動節」と「クラブヒール」の位置・姿勢コントロールが必要です。



【上半身運動と下半身運動の関連】
「イデアル」では上半身と下半身の連結部である下部胸椎群の柔軟性を保ち、上半身の「巧緻作業モード」を維持します。

上半身作業:
「巧緻作業モード」下、4本の補助軸を位置指標に利用し「クラブ重心」、「左右内肘」の位置・姿勢コントロールを担います。
クラブ運動の力学バランスをとるために「位識点シフト」を利用します。

下半身作業:
「片側股関節位置固定型骨盤回転」を担います。左右股関節の位置と機能状態の制御が重要です。
①下半身作業の根幹は「腰椎骨群と仙骨」の位置関係の制御です。
②「腰椎骨群・仙骨」作業に上乗せして左右股関節の位置関係と機能状態を制御します。
③左右下肢の作業目的は「股関節の位置と機能状態」を適正に保つ補助になります。


【スイング概観:解説】

クラブ動態:
①重要なシャフトのシナリはトップ(▽1)、ダウンスイング~インパクト(▼4~6)にみられるシナリです。特にFig-1の「シャフトのシナリ動態」と(▼4~6)はボールヒットに密接に関連しています。
②ダウンスイング~インパクト(▼4~6)の前後ではクラブ重心のコントロールが重要です。特に(▽1、▼2&3)は「トップの切り返し」に関連しています。

クラブ支点:
右内肘と左内肘のクラブ重心支持割合を図示しました。

骨盤回転様式:
右股関節位置固定型骨盤回転、左股関節位置固定型骨盤回転の実際を表示しました。

股関節の位置固定:
左右股関節の位置固定時期の時間的経過を表示しました。



-スイングプログラム

ゴルフは静止したボールを扱いますから全てのスイングで「企画・立案」が可能です。
ヒトの身体動作は四肢の筋肉群が連続して収縮することで、ある確立された身体作業は「四肢の筋肉群の収縮順が適切に決定される」ことですから「筋肉群の収縮順列」を一種のプログラムと見做せます。
「筋肉の収縮」は関節機能の実現を通じて(関節を構成する)骨群の位置関係が変化することですから、全ての身体運動は「関連する骨群の位置関係の変化」と見做せます。

「ゴルフスイング」が四肢骨群の位置関係に注目した「スイングプログラム」で表現できることを意味します。

心象プレート:
関心骨群の相互関係を扱う体内イメージ面で現象の3次元座標から独立して想定できることが特徴です。
プレート上に必要な補助軸を投射して骨群の位置関係をより具体的に確定します。
ゴルファーの想定する心象プレートに再現性があること、現象シーン(スイング)と1:1で対応できることが必要です。

位識点&位識点シフト:
深部感覚系を利用して骨の隆起部分を意識することを「位識点」と定義しています。
「位識点シフト」は位識点を連続的に移動することですが、「スイングプログラム」のペースメーカーに利用します。
また深部感覚を利用するため「姿勢調節反射」、「身体の僅かな体重移動」にも関連します。



-錐体路・錐体外路問題

錐体路運動・・・・・・・大脳で命令する運動
錐体外路運動・・・・・・大脳で意識しない脳幹反射による運動

錐体路フィールド・・・・大脳で意識する「運動プログラム」が走る領域
錐体外路フィールド・・・脳幹反射によって「運動プログラム」が走る領域

ある「運動プログラム」を「錐体路フィールド」で繰り返し走らせると、適正な「運動プログラム」であれば急速に「錐体外路フィールド」に移行し安定します。

スイング構築は「適正なスイングプログラムを錐体外路フィールドに確立すること」といえます。{ホーム・テイクバック・トップ・ダウンスイング・インパクト・フォロー・フィニッシュ}のスイングプログラムを扱う必要があります。

スイングを3相に分割して段階的に構築します。
{1相:ホーム・テイクバック・トップ}→{2相:トップ・ダウンスイング・インパクト}→{3相:インパクト・フォロー・フィニッシュ}

各相のプログラムは「錐体外路フィールド」に移行した時点でプログラムそのものが不要になりますから、正確に確定したプログラムが重要です。

特徴:
錐体路フィールドのプログラムは思考での構成確認が可能である。
錐体外路フィールドへ移行したプログラムは思考での構成確認が不要である。
錐体外路フィールドへ移行直後のプログラムは記憶での構成確認が可能である。
錐体外路フィールドへ移行後、時間が経過したプログラムは記憶から消える。
ある基礎技術に、より高度な技術を上乗せするための「メカニズム」と見ることができます。


錐体路・錐体外路問題:
ある基礎技術から(何段階か)発展した高度な技術プログラムが錐体外路フィールドで走る段階にいたれば・・・・段階的な発展経過が記憶から消えていて振り返ることができない。
段階的な発展経過を振り返ることを可能にするためには・・・・曖昧さを排除した具体的な言語で各段階の発展経過を記録しておく必要がある。


Ⅳ-イデアル
【イデアルの定理】
定理1;クラブの物理的特性に適合
定理2;ヒトの解剖学的構造に適合
定理3;ヒトの生理学的特性に適合

【イデアル構築の公式】
公式1;錐体外路フィールド上を走る運動プログラムとして構築
公式2;運動プログラムが錐体外路フィールドで走るためのリリースキィーが必要
公式3;錐体外路フィールド上に確定した運動プログラムの部分的修正は不可能